岐阜県羽島市ながき内科クリニックの肝臓内科ページです。

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肝臓内科

肝臓の病気

“沈黙の臓器”肝臓

肝臓は、“沈黙の臓器”と言われています。それは、肝臓に病気があっても痛みを感じないことや肝臓が本来持っている機能(予備能と言います)が大きいため、少しぐらいの障害では症状が現れないことによります。つまり肝臓の病気は、症状が出現したときには病気がたいへん進行していることが多いのです。

肝臓内科で診る主な疾患

B型肝炎・C型肝炎などのウイルス性肝炎、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝臓がん、
アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変

肝臓疾患の原因

ウイルス性、薬剤性、自己免疫性、アルコール性、代謝性、循環障害性

肝臓疾患の場合、自覚症状が出ないことも多く発見が遅れることが多くあります。
治療にあたり早期発見が何よりの特効薬となりますので、下記にお心当たりの方は早めに専門医療機関での検査をお勧めします。

このような症状に心当たりの方は一度、検査のための受診を
  • 血液検査でALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPが高いまたは、高くなった
  • ご家族がB型肝炎ウイルスキャリアと言われた
  • お酒を毎日3合以上飲んでいる
  • 手掌紅斑と呼ばれる手のひらの赤み
  • 黄疸がでる

肝臓疾患は大きく2つに分類されます。

急性肝疾患

急性に進行する肝臓の炎症状態を急性肝炎といいます。原因のほとんどがウイルス感染や薬剤によるもので、症状のひどくなったものを劇症肝炎といいます。

慢性肝疾患

肝臓の炎症が6か月以上続いている状態をいいます。原因の70%がB型・C型ウイルスの感染です。さらに病気が進行した状態を肝硬変と呼びます。

急性肝炎

急性肝炎の原因には、多くのものがありますが、日本において重要なのはウイルス性肝炎です。肝臓に病気を引き起こす肝炎ウイルスには、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があります。その中で、A型肝炎とE型肝炎は急性肝炎しか起こしませんが、B型肝炎とC型肝炎は急性肝炎、慢性肝炎双方の原因となります。D型肝炎は日本では極めてまれです。また、A型肝炎と E型肝炎は経口的に感染しますが、B型肝炎、C型肝炎とD型肝炎は非経口的に主として血液を介して感染します。

臨床症状

A型、B型およびC型肝炎は、同じような経過をとることが多く、前駆期、黄疸期、回復期に分けられます。多くの急性肝炎は、自己回復の傾向を示す疾患であり、最も軽度の場合は、何ら臨床症状を伴わず、血清トランスアミナーゼ値の上昇だけがみられることがあります。しかし、一部に重症肝炎、劇症肝炎に進展する症例があり、“致命的になり得る疾患”としての認識が必要です。

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劇症肝炎(急性肝不全)

劇症肝炎は、“初発症状出現後8週以内に昏睡II度以上の肝性脳症をきたし、プロトロンビン時間が40%以下に低下する肝炎”(犬山分類)と定義されています。10日以内に脳症が出現する急性型とそれ以降にみられる亜急性型に分類されています。また、肝性脳症はみられないが、プロトロンビン時間が40%以下に低下する場合は、重症肝炎と診断されます。劇症肝炎の生命予後は極めて不良で、救命率は、急性型で40~50%、亜急性型で20~30%と報告されています。

臨床症状

最も特徴的な症状は、肝性脳症です。昏睡I度の場合は診断が困難なことも多いですが、羽ばたき振戦がみられれば昏睡II度以上と診断されます。病態が進行すれば、感染症、循環動態の障害、脳浮腫、腎障害などの合併症が生じ、多臓器不全の状態を呈する場合もあります。

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B型慢性肝炎

血液・体液を介して感染し、感染した年齢や宿主の免疫状態によって、一過性感染に終わって治癒する場合と感染が持続する場合に分かれます。健常成人が感染した場合は、ほとんどが一過性感染で治癒し、ウイルスの消失と終生免疫が成立します。一方で、3歳以下の乳幼児期(HBV陽性の母親から出産時に産道感染する場合が多い)に感染すると高率に持続感染が成立しやすい特徴があります。

近年の感染タイプには特に注意が必要です

日本人の大部分はジェノタイプBとCに分類されます。しかし近年、ジェノタイプA型の外来種の感染による急性肝炎が増加しており、ジェノタイプAの成人感染では、ジェノタイプB、Cと異なり、20~30%の割合で慢性化するとの報告もあり、注意が必要です。また、免疫抑制剤や抗がん剤などを治療中の免疫不全状態の患者さまにおいては、持続感染が起こることがあります。

臨床症状

慢性肝炎はしばしば無症状のまま経過し、血液検査でのみ異常がみられることも多い。C型肝炎と比較すると、患者さまごとに経過はさまざまで多様性があり、また同一の患者さまにおいても、時期により肝障害の程度に変動がみられます。無症状で経過していた患者さまが、突然、HBV DNAの激しい再燃が起こり、劇症肝炎を来すこともあります。

幼少期は肝機能正常で、HBe抗原陽性の無症候性キャリアとして経過しますが、成長するに伴いHBV免疫応答が成立し、肝炎が発症します。その後、HBe抗原陽性からHBe抗体陽性へとセロコンバージョンが起こり、肝炎が沈静化します。年率10~15%でセロコンバージョンが起こり、多く(70%)は、成人になるまでにHBe抗体陽性の無症候性キャリアに移行します。無症候性キャリアは、そのほとんどにおいて、病状の進行はみられず、肝硬変や肝細胞がんへの進展はみられません。一方、HBe抗原陽性またはHBe抗原陰性だがHBV DNA量の多い患者さまの中には、肝機能障害が持続し、肝硬変へと進行するものがみられます。

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C型慢性肝炎

血液・体液を介して感染し、感染した年齢に関係なく高率に持続感染し、無治療の場合、その慢性化率は70~85%と言われています。慢性化した患者さまの大部分は炎症が持続し、肝細胞の死滅と再生を繰り返しながら、20年~30年かけて、階段を一段、一段登るようにゆっくり進展し、最終的には慢性肝炎から肝硬変を経て、肝臓癌が発生します。

臨床症状

慢性肝炎はしばしば無症状のまま経過し、血液検査でのみ異常がみられることも多い。進行は緩除であり、年余にわたってALTの上昇や変動がみられ、20年~30年の経過でHCV感染者の20~30%は肝硬変へ進展します。病変の進行に伴い、肝細胞癌の頻度は増加し、年率発癌は、F1ステージ0~4%、F2ステージ1~9%、F3ステージ5%、F4ステージ(肝硬変)7%といわれています。

約25%の症例では、ALT値が持続的に正常値を示し、肝線維化の進行および活動性は低く、肝硬変への進展がみられない患者さまがいます。しかしながら、すでに肝硬変に進行しているためALTが低値を示す患者さまや経過観察中にALT値が変動する患者さまがみられるので注意が必要です。

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肝硬変

慢性肝炎がより進行した状態が肝硬変です。慢性肝炎のように炎症が長期間持続すると、肝細胞は死滅と再生と繰り返します。その結果、肝細胞が線維の壁に囲まれた再生結節が形成され、肝臓がごつごつしたジャガイモのようになった状態(肝小葉構造の改築)が肝硬変です。つまり肝硬変はすべての慢性進行性肝疾患の終末像ですが、肝臓が本来持っている機能が大きいため、肝硬変の初期にはまったく症状が現れません(代償性肝硬変)。

臨床症状

初期には特徴的な自覚症状はなく、軽度の全身倦怠感や食欲不振などの非特異的症状が主体です。また、手掌紅斑と呼ばれる手のひらの赤みやクモ状血管腫と呼ばれる前胸部の血管拡張がみられれば肝硬変を疑います。病気が進めば、黄疸、腹水・浮腫、肝性脳症(意識障害)、消化管出血などの肝不全症状を来すようになります。肝性脳症が進行すると羽ばたき振戦と呼ばれる特徴的な症状が出現します。

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肝臓疾患の治療について

何より早期の診断が不可欠です。
自覚症状がないからと自己判断せず、
専門的検査が行える医療機関を受診しましょう。

肝臓疾患の診断に有効な検査について詳しくはこちらをご覧ください。

当クリニックで行える検査
急性肝炎の治療について

C型肝炎をのぞき、基本的には自然治癒が期待される疾患であり、臨床経過に効果的な特異的な治療法はほとんどありません。黄疸期には入院、安静を原則とし、食欲低下がみられる患者さまには低脂肪・高炭水化物治療食が推奨されます。安静臥床によって肝血流の増加がみられ、肝障害の治癒が促進されると考えられています。

劇性肝炎の治療について
内科的集学的治療

集中治療室において、多臓器不全に伴う総合的な問題に対応するため、厳重なモニターリングと迅速な治療が必要とされます。

人工肝補助システム

血漿交換療法や持続的血液ろ過透析が施行されていますが、必ずしも肝機能を特異的に補助するわけではないので治療効果に限界があります。

肝移植

日本急性肝不全研究会のガイドライン等を基準に適応が考慮されます。非肝移植患者の生存率が30%であるのに対して、肝移植患者では60~80%と高い救命効果が得られています。

B型肝炎の治療について

ウイルスを消失させることはできないため、ウイルス増殖の阻むことと肝炎の鎮静化を進めていくことで、病態の進展と発癌の抑制を目的とした治療が行われています。
大きく分けて抗ウイルス療法と肝庇護療法の治療法があります。

抗ウイルス療法

【インターフェロンによる治療】
HBe抗原陽性患者を対象に48週間の治療が行われています。HBe抗原陰性の患者は保健適応にはなっていません。海外からは、インターフェロン投与群でHBe抗原陰性化は33%(対照群12%)、HBV DNA陰性化は37%(対照群17%)との報告がみられます。うつ病、間質性肺炎、糖尿病、甲状腺疾患、網膜症、自己免疫性疾患などの副作用には注意を要します。

【核酸アナログ製剤による治療】
HBVの複製過程における逆転写を阻害することで効果を発揮し、わが国では、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テノホビル、テノホビル・アラフェナミド(TAF)の5剤が使用可能です。インターフェロンと比較して、副作用が少なく、外来での内服開始が容易です。投与後より良好なHBV DNA量の低下とそれに伴うALTの低下がみられます。しかし、投与を中止すると高率に再燃がみられ、安全な中止基準のコンセンサンスは得られていません。また、耐性ウイルスの出現がみられ、時にブレークスルー肝炎が生じることがあり注意を要します。ラミブジンに比較して、エンテカビルは耐性ウイルスの出現が低頻度です。胎児への影響(催奇形性)が危惧されており、若年患者さまへの投与は慎重に行う必要があります。

肝庇護療法

ALTの低下を目的に、強力ミノファーゲンC、ウルソデオキシコール酸などが投与されます。

C型肝炎の治療について
飲み薬による治療

C型慢性肝炎は、インターフェロンによる治療から、インターフェロンを用いない治療(インターフェロンフリー治療)へと大きく変化しました。C型肝炎ウイルスが発見されて以来20年以上にわたり、C型肝炎の治療はインターフェロンによる注射が主体でした。しかし、近年、C型肝炎ウイルスの増殖を特異的に阻害する薬(直接作用型抗ウイルス薬)が次々に開発され、C型慢性肝炎・代償性肝硬変の治療は、インターフェロン治療を必要としない飲み薬だけの治療で治るまったく新しい時代に入りました。

肝庇護療法

ALTの低下を目的に、強力ミノファーゲンC、ウルソデオキシコール酸などが投与されます。

肝硬変の治療について
基本的な治療方法

原因となる肝炎の改善が重要になってきます。そのためそれぞれの原因に合わせた治療法が選択されます。B型肝炎であれば核酸アナログ製剤が有効です。C型肝炎の場合は、飲み薬(直接作用型抗ウイルス薬)が考慮されます。自己免疫性肝炎の場合は副腎皮質ホルモン治療、ウイルソン病だと銅代謝への治療が必要となります。

進行度による治療方法

代償期の場合は、肝臓機能の回復を目的とした治療を行います。
生活指導(過労や重労働の禁止)、食生活の管理、禁酒を行いつつ、肝機能回復治療を行っていきます。

非代償期の場合は、合併症への治療が重要となります。
腹水・浮腫に対しては、塩分制限、利尿薬の投与、低アルブミン血症対策としての栄養療法が必要です。
肝性脳症の合併がみられる場合は、特殊アミノ酸製剤の輸液やラクツロースの投与が有効です。
食道静脈瘤への内視鏡的治療、消化管出血対策としてH2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターが考慮されます。 肝移植が適応となる場合もあります。

身体障害認定について

平成22年4月よりChild-Pugh分類の合計点数が7点以上の状態が90日以上続くものは身体障害認定をうけることができるようになりました。詳しくは、市町村の障がい福祉担当窓口におたずねください。

身体障害認定とは?

身体障害者認定を受けると、公的な身体障害者向け福祉サービスを受けることができます。対象となる障害に、肝臓機能障害があります。税金の減免、公共料金の割引、交通運賃の割引といった公的な福祉サービスを受ける際には「証明書」(身体障害者手帳)が必要です。

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